あくざわ鍼灸院の治療理論

鍼灸医学の治療は陰陽の調整がすべてです。体は陰と陽の気から成り立っています、種々の症状は陰陽の乱れからおきます。

陰(いん)は減少し陽(よう)は増大する。これは陰陽論の大原則です。

この原則が崩れると陽が減り、陰が増える事になり生命が死の方向に向かいます。この時の陰とは五臓、陽とは六腑の事です。
エントロピーという言葉があります。秩序という意味です。エントロピーの増大,減少がこれに当たります。

エントロピー減少、私はこれは病気になっても治そうとしている状態が勝っていると見ています。鍼灸医学で言う所の1の陰虚証、2の陽実証、3の奇経の証です。このときに治そうとする力を助けるのに鍼灸は非常に有効です。西洋医学的には機能的疾患です。血液検査正常、画像検査でも異常は認められません。

 部屋を放っておくと散らかってきます、これをエントロピー増大と言います。私はこれはなかなか治らない病気の体ではないかと思います。鍼灸医学で言う所の4の陽虚証,5の陰実証の状態です。体は破滅、死に向かいます。西洋医学的には器質的疾患です。鍼灸で治すとなると数ヶ月から数年かかります。

 

具体的にどのように体を見ていくか紹介します。

病症の基本

1.陰経虚証

陰の経絡を補う病症である。内因(ストレス)や不内外因(不摂生)により起こる。
体質による影響が大きい、病気になりやすい状態、全ての病気の根にある。
器質的疾患は無い。いわゆる不定愁訴。日中が辛いのが特徴。

2、陽経実症

陽の経絡を瀉すべき病症である。 外邪によって起こる。
症状が持続的である。比較的経過が早い。
熱か痛みのどちらかが主症状である。
一般に予後は良いが、胆石や緑内障のように治りにくいものもある。

3、奇経病症

8段階の状態がある
2の陽経実症が長引いて体力がまだ残っている状態。
苦痛が常にあり、それが慢性化している状態。

4、陽経虚症

たとえ苦痛があっても瀉してはいけない状態。
痛みの慢性化が原因で体力の低下が原因。治療法は体幹に気を集める事を目的として、兪穴募穴や任、督脈の補法が中心。
器質的疾患がある。花粉症は陽虚症。
夜中に苦しむなどの特徴がある。
各種疾患に対し、薬物を持続的に服用している者、糖尿病など。

5、陰実症

陰経を瀉すべき症状、急を要する者が多く、時には生命に関わる事もある。

1から3までは機能的疾患、4、5は器質的疾患です。
一般的に鍼灸院に来られる患者さんの80%が3までの患者です。
このような観点から診断すると、たとえ肩こりでも、4や5の診断が出た時点で医療機関での診断を勧め、その上でどのような方針で治療を進めていくか相談させていただきます。
この4と5の診断ができるようになるには相当の期間の修練が必要となります。

 

治療がうまくいったか?

治療によって体が回復の状態に入った確認として以下の状態があります。

①呼吸が深く大きくなる
②耳は冷たく足は暖かくなる
③腹直筋の緊張がゆるむ
④空腹感がでる
⑤主訴が軽減する(しない場合もある)
⑥目の前が明るくなったと感じる

 

病の進行と病態把握

病邪が強い場合には徐々に深い所に病症が変化する。その順序は次の通りです。

1.陰経虚症

健康を保つという事は、生活に何の支障も起こらないという状態であるが、ストレスや不摂生などの原因により、知らぬ間に免疫力が低下した状態を陰経虚症といいます。五臓の働きが弱った状態です。

病症の特徴は:症状が一定しない。器質的病変は無い。不定愁訴、自律神経失調症等々。

陰経のどこかに流れの良くない所(虚)が現れると外邪に浸されやすくなります。

 

2.陽経実証

外邪に感じて熱や痛みを現した状態です。病の初期なので、まだ器質的な変化をおこしていない場合が多いです。
慢性的な症状であっても、とりあえず、生命の危機がない場合は、陽経実症として取り扱う場合もあります。

病症の特徴:症状が持続的。熱か痛みのどちらかが主症状。一般に予後は良好だが、胆石や緑内障のように治りにくいものもあります。

※奇経病症→陽実症が長引いて慢性化した状態。

3.陽経虚症

陽経実症が慢性化してなおかつ進行の可能性が高い病態を陽経虚症と考えます。五臓、若しくは六腑の働きが低下した状態です。治療法としては体幹へのお灸が有効です、診断を間違って手足に鍼を打つと悪化させてしまう可能性があります。

治療症例58歳 女性。胃癌、ステージ3。他に不整脈、心臓弁膜症
脈診などから、陽虚証(ようきょしょう)と診断。
治療は、毎回、お腹もしくは背中のツボ1箇所に、灸を毎回20荘くらい。
週に1〜2回の治療で約3ヶ月計15回の治療後、胃癌のステージ1に。

体力の低下により邪が徐々に奥に入っていく状態で、陽経虚症から死に至る事もあります。

病症の特徴:症状が比較的に安定している。器質的変化がある。頸腕症候などが慢性化した者、重症疾患の後遺症状態、薬物を持続的に服用している者。結核や糖尿病などがこの状態に当たります。

4.陰経実症

組織破壊が起こってしまった状態で、場合によっては生命の危機を伴う事もあります。急を要する症状、時には命に関わる事もあります。

治療法としては陰経の瀉法ですが診断を誤ると悪化させる可能性があります。

脳卒中の発作、狭心症、心臓喘息、圧迫骨折など

治療症例 33歳 女性ひと月以上、喘息のために昼夜問わず咳が止まらない。薬は飲んでいるが一向に改善せず。
脈診などから陰実証(いんじつしょう)と診断、右の手の心包経の大陵穴(だいりょうけつ)に触れると脈が正常になる。
治療は右大陵穴の瀉法の鍼1箇所
鍼を打って数分後には咳、完全に止まる。
診断した経絡、ツボからこの女性の喘息は肺動脈が細くなった心臓喘息と思われる。

(画像は大成会会長、杉山勲先生の資料より抜粋)

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