鍼灸での治療が適する病気とは?
鍼灸には、一般的に、身体にわずかな痛覚(鍼)や温覚(お灸)で刺激を与えることによって、身体の恒常性を整えるよう促す働きがあります。
身体の恒常性(ホメオスタシス)とは、自律神経など、いわゆる身体が平常どおりであろうとする力のことで、鍼灸には、その働きを整える作用があります。
また、働きを整えることによって免疫の活性化なども促進されるので『今、まさに命にかかわる』ような、外科的に問題がある状態以外であれば、ほとんどの症状に効果が期待できます。
長く西洋医学的な治療を受けても、なかなか症状が改善しない方が、数回の鍼治療で治る例もあります。
※ ご注意
同じ症例でも、状態(病の深さ)には個人差がありますので『この病気が治せます』と、ひと括りにすることはできません。まずは一度、ご相談ください。
あくざわ鍼灸院の治療症例
鍼灸医学は体の中を流れる気を調整する事によって、病気を治す調整医学です。
治療法は髪の毛ほどの鍼を数カ所、場合によっては一箇所で病気を治してゆきます。当然、その程度の刺激で体を治すわけですから、条件が必要となります。
治療師自身が真剣に診断に望むのは当然の事ですが、治療を受けられる患者さんの、治療法に対する理解と同意が必要になります。
人間は肉体だけではなくエネルギー体としても存在しています。鍼灸医学はそのエネルギー体に働きかける事により種々の疾患を治していきます。
エネルギー体に流れる血液のようなものが気です。
気は意(い)によって動きます。意が動く事で気が動き血(けつ)が動きます。意とは患者の病気に対する戦う気持ちと、治療師に対する信じる心です。
現代医学で満足されない方のために
現代医学の進歩は凄まじく、今や遺伝子の観点からも治療できる世の中になりました。
しかしながら、これだけ進んだ現代医学でも種々の不定愁訴から解消されない方がいる事も事実です。
現代医学と、鍼灸医学には体の見方に違いがあります。現代医学は病巣そのものが治療対象であるため、体力の弱っている状態の体には辛い場合があります。
私たちの行っている鍼灸医学は、病気に対する回復力すなわち生命力の強化を目的としています。
当院の治療法は、鍼は髪の毛ほどの太さの鍼を数カ所、場合によっては1箇所。灸は熱さを感じない程度で治療します。
当院での治療症例
症例1)33歳 女性
ひと月以上、喘息のために昼夜問わず咳が止まらない。薬は飲んでいるが一向に改善せず。
脈診などから陰実証(いんじつしょう)と診断、右の手の心包経の大陵穴(だいりょうけつ)に触れると脈が正常になる。
治療は右大陵穴の瀉法の鍼1箇所。
鍼を打って数分後には咳、完全に止まる。
診断した経絡、ツボからこの女性の喘息は肺動脈が細くなった心臓喘息と思われる。
症例2)58歳 女性
胃癌、ステージ3。他に不整脈、心臓弁膜症
脈診などから、陽虚証(ようきょしょう)と診断。
治療は、毎回、お腹もしくは背中のツボ1箇所に、灸を毎回20荘くらい。
週に1〜2回の治療で約3ヶ月計15回の治療後、胃癌のステージ1に。
症例3)46歳 女性
リウマチにより全身の関節が痛む。
脈診などから陰実証(いんじつしょう)と診断。
専門的には脾虚胆実(甲と己が合して土に変わる)干合(かんごう)からの脾の臓病と診断。
治療は胃の中脘という穴に灸を約30荘。直後関節の痛み止む。
数例ですが、体を陰陽的に的確に診断できると、わずかな刺激でこれだけの効果が出せます。